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女子高校生・ 真生(深田恭子)は、似たような日々の繰り返しにうんざりする毎日を送っていた。そんな真生でも、唯一楽しみにしているのは、人気音楽プロデューサー・啓吾(金城武)の作る楽曲たち。啓吾の熱狂的なファンであり、年末に行われる啓吾の日本最終公演に行くのを本当に楽しみにしていた。
一方、恋人の死から乗り越えられず、自暴自棄になっている啓吾(金城武)は制作活動も上手くいかず、空しい日々を送っていた。コンサートのリハ中でも、気に入らない演奏者やスタッフを怒鳴りつけて、周りに傲慢にふるまうことで虚しさをごまかしていたのだ。
真生は、無事に啓吾のコンサートチケットを買えたものの、財布ごと電話ボックスに置き忘れてチケットも紛失してしまう。どうしても諦めきれない真生はダフ屋から購入しようと考えるが、チケット代では5万円位必要に…思い切って、Ｈ無しの援助交際でチケット代を稼ごうとする。
ようやく見つけた援助交際のカモの青年は、なかなか約束のお金を支払わず「サイテーな奴」と怒るが、彼も啓吾のが楽曲が好きなことを知り、盛り上がりそのままラブホテルへ向かってしまう。ベットには約束の5万円が置かれていたが、真生の心に空しさがこみ上げた。

若者に人気の音楽プロデューサーの啓吾と援助交際でHIVに感染してしまった真生の純愛が、最終回に向けて話が進む毎に悲しさと寂しさを感じる名作です。今時の女子高生で、周りについていけなくなった真生と、売れっ子にもかかわらず、恋人の死後、うまく創作活動が出来ていない苛立ちを感じていた啓吾の２人が次第に惹かれ合っていく様子を金城武さんと深田恭子さんが熱演していて、すっかりドラマにハマりました。真先がHIVに感染した事が発覚した事と啓吾に出会った事は、真生の人生において大きなターニングポイントだったと思います。症状がだんだんと重くなっていく中で、愛する人と過ごす時間がとても大切なものになっていたでしょう。

アジアを中心に活躍していた金城武さんの表情や仕草に、役者としての色気を感じました。HIV感染した恋人との愛について考えさせてくれるドラマに仕上がったのは、金城武さんと共演の深田恭子さんの２人の演技が役柄にぴったりとハマったからです。金城武さんの場合は、恋人の死を経験した後にスランプに陥って、さらに真生を病気で失おうとする音楽プロデューサーの役だったので、二重の悲しみをどう表現するのか難しかったと思いますが、見事に啓吾を体現していました。深田恭子さんは、コギャル文化全盛に生きる女子高生をうまく演じていて、病気が判明した後の絶望感もよく表現出来ていました。かわいらしさが魅力だった深田さんの違う側面を見られました。

ドラマの最初のほう(1話とか)は援助交際までして、好きなアーティストのチケットを買うとか、全く理解ができませんでした。
軽い女の子だな～あり得ないみたいな感じで見ていました。
それと、普通の女子高生と芸能人との恋愛なんて、非日常品で有り得ないなっと冷めた気持ちでみていました。
ですが、エイズにかかって病気と向かいあわなければいけない事は、大変なことだし、かわいそうだし、がんばってほしいという気持ちになり、ドラマに入りこんでいきました。
同じ女として、好きな人の子供を産みたいという気持ちは共感できたし、病気で自分の命と引きかえにでも出産したいと気持ちに心うたれました。
自分がもしエイズや癌にになってまでも出産するかは分からないけれど、もしまわりにそういう人がいたら絶対に応援してあげたいと思います。
ドラマで最後、産まれた子供が父親と幸せに暮らしてくれればいいなっと思いました。

やっぱり、深田恭子さんが魅力的だと思います。
まだ、本当に若くて可愛いし、エイズになりながらも、恋愛をするという、すごく難しい役を一生懸命に演じているからです。
今の深田恭子さんも、すごく綺麗で美しい人ですが、「神様もうすこしだけ」のときは、あまり飾られていないというか、作られていない可愛いさや純粋さがあると思います。
それと、今の深田恭子さんと全然、顔が違うと思います。
ほぼ、素っぴんに近い顔でクリアな感じがします。
私的には、今の顔よりも、この「神様もうすこしだけ」のときの顔のほうが、ナチュラルで可愛くて好きです。
深田恭子さんの数々のドラマや映画の中でも、ブレイクしたきっかけになった貴重な作品だと思います。

HIVをテーマにした作品であり、幸せな結末が訪れないながらも幸せを見つけ出そうとする主人公の姿に心震えた作品でした。高校生である真生が人気プロデューサー・啓吾のコンサートチケットを紛失し、チケット代を手に入れるために援助交際をしてしまったことから展開するストーリーでした。チケット代を手に入れ、コンサート帰りに啓吾と出会い結ばれるという奇跡が起こり、再び出会う約束をするも交通事故にあったことでHIV感染を知るという展開に天国から一気に地獄に突き落とされたような感覚でした。HIVということが分かってから人が離れていく現実に胸が痛み、それでも止まらない死へと向かう病気の進行に胸が苦しくなりました。そんな中でも真生の生きる糧となっている啓吾の存在の大きさはまさに希望であり、幸せが大きくなるほど別れの辛さを強くさせました。真生の死後、二人との間にできた子供の存在が啓吾の生きる糧となっているラストは悲しみと幸せが入り混じりました。20年以上前に放送されたドラマですが、現在でも通じる内容という切なさを感じさせます。社会派ドラマであり、生きる素晴らしさと共に死から命の重さを学ぶことができた作品でした。

主人公・真生を演じた深田恭子さんが注目な作品です。当時若干16歳という若さでありながらHIV感染という難しい役柄を演じられ、演技力の高さに驚かされました。主人公の幼い考えから起きてしまった不幸な展開に対する体当たりな感情表現に心震えました。受け入れられない現実から受け入れなければならない現実へと変わっていく様子は涙が止まらず、死が近づくと共に最愛の人との出会いによって背負う悲しみに穏やかな感情がプラスされているという相反する感情が入り混じる難しさを見事に演じられており、雰囲気まで変化させてしまう演技力は凄いの一言です。自分だったら、自分の友達が感染してしまったらなど様々な立場から見ることができた作品であり、深田さんの演技力がなければ感情移入できなかったと感じる作品です。